オランダのプロヴォーグからデジパックでのリリース。ロビン・トロワーはロンドン出身のギタリストで、何よりパラマウンツとプロコル・ハルムでの活動で知られていると思う。いわゆるジミヘン・フォロワー・スタイルの代表格の1人で、ハルム脱退後もロビン・トロワー・バンド、BLT、ジャック・ブルースとのデュオ・ユニット、ソロ等々で現在も活動を続けるビッグ・ネーム。フューチャリング表記のサリ・ショアは、ニュー・ヨーク出身のシンガー・ソング・ライター(SSW)で、ブルックリンを拠点にブルース・ロック畑に軸足を置きながら、16年のファースト・アルバム以降現在までにライヴも含めた3枚のアルバムをリリースしている。本作は、23年にリリースされたトロワーとしてはおそらくソロ名義26枚目のアルバムで、メンバーは、トロワー、サリ、エイドリアン・ゴートレー、クリス・タガート(ex.アクション・パトロール,etc)の4人編成、プロデュースはトロワー。基本的には、ここ数年の過去作の延長線上にある、ギミックなしのストレートなブルース・ロック変わらずだが、サリのオーソドックスなシャウト・スタイルの女性ボーカルが、ブツブツと呟き系のスタイルだったトロワーのボーカルとは明らかに趣を異にしていて、その意味では非常に真っ当な70年代型サウンドという印象。ボーカルとギターのベタな絡みも上手いことハマっていて、それなりにバンド感も担保されたアンサンブルは普通にカッコよく、ブルージーに泣くトロワーのギターはともかくも渋味満点。全体にそれ程派手さはないが、場末のクラブ的な酒の進む感じ十分で、この線としてはずっしりとヘヴィな好盤と思う。
輸入盤
(Blues&Swamp/Blues,Hard / Digi-Pack CD(2023) / Provogue/Holland)