UKのMCAから、72年のプロモ・オンリー・シングル1曲(72年8月のメンフィスでのライヴ音源)をボーナスで加えてのリシュー。ウイッシュボーン・アッシュは、マーティン・ターナーとスティーヴ・アプトンが在籍していたトリオ・バンドのタングルウッドを母体とするグループで、地元デヴォン州トーキーからロンドンに進出後にギタリストが抜けてテッド・ターナーが加入、69年にアンディ・パウエルが加入後ウイッシュボーン・アッシュに改名した。70年にディープ・パープルの前座を務めた時にリッチー・ブラックモアが気に入り、リッチーがプロデューサーのデレク・ローレンスに紹介してデビューに至る。ツイン・リード・ギター・スタイルの代表的存在として広く知られる、ブリティッシュ・ハード系のビッグ・ネーム。本作は、71年にUKのMCAからリリースされたセカンド・アルバムで、確か邦題は「巡礼の旅」。メンバーは、前作と同じアンディ、テッド、マーティン、スティーヴの4人編成で、プロデュースはローレンス、エンジニアはマーティン・バーチ、スリーヴ・デザインはヒプノシス。前作からのブルース・ロック感は担保しつつも、トラッド基調のアルペジオやフレーズを適時絡めて、プログレ的アレンジで纏めた感じの曲が多く、ハード色とプログレ色がいい塩梅のバランスで交叉。1曲目のジャック・マクダフのカヴァーや、7曲目のライヴ(71年6月14日レスター)のハマりもそれ程違和感はないが、特に2~6曲目のカッコよさと美しさが同居する流れは、アンバーな英国の湿った香り十分でともかくも心地好い。ハード系、プログレ系、どちらの愛好家も楽しめる好盤と思う。スリーヴも素敵。ドイツ・プレス盤
輸入盤/デッドストック入荷
(Blues Hard/Heavy Blues,Progressive,Trad/ Jewel-case CD(1991) / MCA Records/UK,German)