スペインのゲッセン・レコードからのリシュー。ザ・トゥリー・ピープルはオレゴン州ポートランドを拠点とするグループで、現在はヴィジュアル・アーティストとしても活動するスティーヴン・コーエンが中心となって78年頃に結成されている。79年にファースト、84年にセカンド、2010年にサード・アルバムをリリース、現在もコーエンを核に断続的に活動しているらしい。本作は、84年に自主制作のカセット・テープ作品としてリリースされたセカンド・アルバムで、メンバーは、ボーカル&ギター、プロデュース兼任のコーエン、リコーダー&パーカスのジェフ・スティアーの2人を軸に、曲によってフルートのレイチェル・ラダーマン、ベース&ギターのジェームズ・ソーンベリーが適時参加するスタイルと思われるが、メンバー・クレジットが見当たらず正確には判らない。概ね、コーエンの柔らかい耳触りのボーカルと、少しだけストレンジ色内包のアコースティック・ギターに、素朴な響きのリコーダーやフルート、グロッケンシュピール等が適時絡む、アンバーなアシッド・フォーク調サウンドを展開。全体に前に出ない佇まいが支配的で、一部にはプログレ方面の要素を内包しつつも、線の細い郷愁的情感が淡い木漏れ日感に収束する感じ。涼やかさはあるが内省的で、そこはかとない寂寞感が美しく、流していて心地好いアシッド・フォーク系の好盤と思う。
輸入盤/デッドストック入荷
(Acid Folk/Folk,Psyche,Progressive / Jewel-case CD(2009) / Guerssen/Spain)