韓国のビッグ・ピンク・ミュージックから、10年新規リマスター&ペーパースリーヴでのリシュー。マット紙紙ジャケ仕様、リリック・インサート入、オビ付。サム・パリーは、ウェールズのアベリストウィス出身のシンガー・ソング・ライター(SSW)で、本作は72年にUKアルゴからリリースされた唯一のアルバム。メンバーは、パリーのギター弾語り&ブルース・ハープを軸に、ブライアン・ダリー(プロデュース兼任)の6&12弦ギターと、デイヴ・モーゼスのベースによるトリオ編成で、変則チューニングも交えたブルージーなアシッド・フォークを展開。概ね、ブルース・ハープが効いたテンポのよいフォーク・ブルース・チューンと、ニック・ドレイクやロビン・スコット、初期ジョン・マーティン辺りに通じる内省的な情感フォーク・チューンに大別される感じで、嫌味のない哀愁を放つ内省的チューンがともかくも心地好く、その冷たいサイケ感とアングラ感は、例えば初期フロイドのフォーク・チューン群にも似た浮遊感を放つ。全体にギターの演奏が上手く、ちょっとぶっきらぼうなボーカルも味わいがあって、しつこくないが骨太なブルース・ハープと、エッジの効いたギターが映えるフォーク・ブルースも悪くない。知名度はないがわりと掘り出し物的好盤というか、ミック・ロックがデザインしたスリーヴのよさも含め、ブリティッシュ・フォーク系やブルース&ルーツ系、アシッド・フォーク愛好家なら十分に楽しめると思う。心地好し!。
輸入盤/デッドストック入荷
(Acid Folk/Blues,Psyche,SSW / Paper-Sleeve CD(2010 Re-master) / Big Pink Music/Korea)