(中古/USED CD):98年のUKハンニバル・レコード盤/輸入盤・廃盤
(状態/CONDITION):SLEEVE=A / DISC=A
ロバート・ワイアットはブリストル出身のドラマー兼シンガー・ソング・ライター(SSW)で、63年のデイヴィッド・アレン・トリオ、64年のザ・ワイルド・フラワーズを経て、66年にソフト・マシーンを結成した。70年にソフツを脱退して71年に新たにマッチング・モウルを結成、73年に自宅の3階の窓からの落下事故で車椅子の人となってからも淡々と活動を続ける、カンタベリー・ロックの最も太い柱となるミュージシャンの1人。本作は、74年にUKヴァージンからリリースされたセカンド・アルバムで、被せオビ付、歌詞掲載ブックレット入。車椅子の人となって最初の作品で、メンバーは、ワイアットを軸に、リチャード・シンクレア、ヒュー・ホッパー、ローリー・アラン、マイク・オールドフィールド、ゲイリー・ウインド、モンゲジ・フェザ、フレッド・フリス、イヴォール・カトラー等々のカンタベリー&ブリティッシュ・ジャズ系の人脈が曲によって適時参加、プロデュースはピンク・フロイドのニック・メイソン。クールなけだるさを素としたドローン感と、独特の郷愁または哀愁感を纏ったストレンジ感が、カンタベリー的で柔らかい浮遊感と見事なマッチングを見せるサウンドを展開。全体を支配するのはブリティッシュ・ジャズ的な薄曇り感で、この滲んでいくような優しい感覚と間接照明的な淡い発光感は、帰ってこれなくなるよな闇が奥の方に垣間見える危うさがあって、その意味では正しくサイケで優れて瞑想的なサウンド。独特のドローン感の中に、美しいメロディやコードの響きが溢れ出る様子は素直に心地好く、車椅子の人となって新たな境地に達したという印象。奥さんのアルフリーダ・ベンゲが描いたスリーヴ・イラストも素敵で、確実に時間の流れと空気の色が変わる大好盤と思う。素晴らしい!。
輸入盤
(Progressive/Canterbury,Psyche,Strange / Jewel-case CD(1998) / Hannibal/UK,France)