(中古/USED CD):97年のUKシー・フォーマイルズ・レコード盤/輸入盤・廃盤
(状態/CONDITION):SLEEVE=A- (黄バミ感少) / DISC=A
パンディット・カンワール・セイン・トリカはおそらく北インド出身のシタール奏者で、テジ・バーンにシタールとタブラ、パンディット・シヴ・プラサッド・トリパティ・ガーナチャルヤ・ジュニアにボーカルを学び、ラヴィ・シャンカールのようにインド音楽を西欧に紹介するべく64年に渡英、以降はロンドンを拠点とした。ビートルズの95年シングル「フリー・アズ・ザ・バード」や、ジョージ・ハリソンの「ハレ・クリシュナ・マントラ」への参加で知られているかも知れない。本作は、71年にUKマッシュルームからリリースされた知る限り唯一のアルバムで、アウトテイク?1曲をボーナス収録。メンバーは、トリカのシタールを軸に、曲によってポール・バーウェルがタブラで適時参加。全曲トリカのオリジナルで、作曲されたパートとフリーなパートが交叉するラーガ調のシタール曲が並ぶ。高速パッセージや奇数拍子がほとんどない、6,16ビート基調のゆったりとしたパートが多く、音の立ち上がりが曲線でいかにもシタール然としたスモーキーなサウンドを堪能出来る。例えばラヴィ・シャンカールのようなバカテク的派手さはないが、パッセージがクリアに聴き取れるという意味では、シタールの音色や雰囲気を味わうのに適している印象。煙が、揺らぎながらゆっくりと立ち上っていく感じの音像は、ともかくも流していて素直に心地好く、サイケな空気感十分の好盤と思う。
輸入盤
(Psyche/Indic Raga,Progressive / Jewel-case CD(1997) / See For Miles Records/UK)