(中古/USED CD)：92年のフランス・スパラックス盤／輸入盤・廃盤
(状態/CONDITION)：SLEEVE=A / DISC=A
マヤ文明の聖典の名を冠するポポル・ヴーは、フローリアン・フリッケを中心に69年にミュンヘンで結成された。古代宗教＆東洋思想的神秘主義を内包する、非常に特異なスピリチュアル音響系サウンドを展開した稀有なグループ。本作は、76年にイタリアのPDUからリリースされたナインス・アルバムだが、ミュンヘンのバーバリア・トンスタジオでのレコーディング、フリッケとインディアン・ミュージシャンの共同プロデュースという以外メンバー・クレジットがなく、今まではフリッケがインド人ミュージシャンと共演した音源という通説で、フリッケの意思に反してレーベルが契約履行のために勝手にリリースした作品という説もあった。その辺りの真偽の程は結局判らないが、メンバーはフリッケのハーモニウム、アル・グロマー(ex.ビトウィーン,etc)のシタール、ペーター・ミュラー(ex.ビトウィーン,etc)のサランギ、パンディット・サンカ・チャタジーのタブラ、ビーナ・チャタジーのボーカルの5人という説があって、これはこれでわりと納得出来る。概ね、楽曲も演奏も、インドの何かしらのセッションといわれればそうかなと思ってしまうようなラーガ調で、おそらくインプロを基調とした緩やかなセッション的アンサンブルなのだが、わりとストレートなラーガ方面のサウンドは、従来のポポル・ヴー色はほぼ皆無というか趣を異にする。とはいえ、全体がドローン調の瞑想感に収束する、ゆらゆらと立ち込めるインディックなスピリチュアル感は、ラーガ調サウンドの線として流していて素直に心地好く、フリッケの東洋志向の一環の産物として十分に楽しめる好盤かも知れない。
輸入盤
(Progressive/Raga/ Jewel-case CD(1992) / Spalax/France)
