(中古/USED CD):93年の日本キング/クライム・レコード盤/国内盤・廃盤
(状態/CONDITION):SLEEVE=A- (プラケ爪跡少) / DISC=A- (スリ傷微少、再生に影響なし)
オザンナはナポリ出身のグループで、69年にダニーロ・ルスティチ、リノ・ヴァイレッティ、レオ・ネロ等を中心に結成されたチッタ・フロンターレを母体としている。70年にレオ・ネロが抜けて(72年にイル・バレット・ディ・ブロンゾに加入)、残ったメンバーと当時ショウメンに在籍していたエリオ・ダーナが、新しいロック・ミュージックを目指すことで意気投合、チッタ・フロンターレの発展的バンドとしてオザンナ結成となる。本作は、73年にイタリアのフォニット・チェトラからリリースされたサード・アルバムで、邦題は「パレポリ」、『ユーロ・ロック・コレクション・アンコール』シリーズ、ライナーは北村昌士/高見博史、歌詞付。メンバーは、ファーストから不変のルスティチ、ヴァイレッティ、ダーナ、レッロ・ブランディ、マッシモ・ジュアリーノの5人編成。前5世紀頃南イタリアに存在したともいわれる、古代ギリシアの巨大植民都市『パレアポリス』をモチーフとしたコンセプト作品で、そのイメージは時代は下るがベスビオ火山の噴火で滅びた都市ポンペイとも重なる、架空古代都市興亡の物語。底なしに猥雑で呪術的、原初的な人間の情熱と官能の激しい発露が感じられる素晴らしいサウンドで、古代ギリシア/イタリアの香り漂う地中海トラッドと、クリムゾンやタルを彷佛させるブルージー&サイケなヘヴィ・プログレのエッセンスが絶妙なマッチングを見せる。いわゆるデュオニソス的な太い暗黒感を基調とした、劇的なアレンジと異端的空気感、ヘヴィ・シンフォニック調の濃密な演奏が全編に渡って炸裂していて、どっぷりと深くずっしりと重い手応えのカッコよさを放つ、およそ文句なしの好盤と思う。
輸入盤
(Progressive/Psyche,Heavy Symphonic,Blues / Jewel-case CD(1993) / King/Crime Records/Japan)