(中古/USED CD):92年のフランス・マントラ盤/輸入盤・廃盤
(状態/CONDITION):SLEEVE=A (黄バミ感&プラケ爪跡少) / DISC=A
メルモスはフランス南部のトゥーロン出身のシンガー・ソング・ライター(SSW)兼作家兼評論家で、主に音楽家はメルモス、ダシェル・エダヤ、作家はジャック・アラン・レジェ、現代&実験音楽&文芸評論家は本名のダニエル・セロンの名で活動していた。音楽家としては、69年のメルモス名義の本作と71年のエダヤ名義の「Obsolete」を残し、鬱病と生涯戦いながら13年に66歳で他界している。本作は、70年にフランスのアリオンからリリースされたメルモス名義唯一のアルバムで、メンバーは、メルモス、オクトパス4のディディエ・ド・サン・ジョレとロベール・バレステロ、ジョゼ・B・ファドラ、リシャール・ロー(ex.マグマ,etc)の5人編成、プロデュースはクロード・モレル。概ね、現代音楽やフリー・ジャズの要素をロック調で展開しているというか、例えば初期ゴングやソフト・マシーン辺りに通じる、アーシーで湿ったアート・ロック調サウンド。即興的でセッション感の強いアンサンブルは、わりと先鋭的でカッコよく、そこにぶっきらぼうでダメダメな、ポエトリー・リーディング感内包のボーカルがちょっと独特のマッチングを見せる。その意味では、エダヤ名義「Obsolete」から内省感を薄くして、演奏のプログレ色を増したような印象で、全体がサイケなアングラ感に収束。このペシミスティックな攻撃性の中に、子供の頃に発症した鬱病を抱えた日々や、同性愛者であることへの差別の経験などが凝縮しているのかも知れず、9.11以降に『ムスリムとイスラム原理主義を区別すべし』と、非常に真っ当な主張を展開したことも併せて聴くと、何かが伝わってくるものがあるや否や。
輸入盤
(Progressive/Psyche,Contemporary,Free Jazz / Jewel-case CD(1992) / Mantra/France)