(中古/USED CD):01年の日本DIW盤/国内盤・廃盤
(状態/CONDITION):SLEEVE=A / DISC=A
高柳昌行は東京都出身のギタリストで、50年代初頭からプロ活動を開始、銀座のシャンソン喫茶「銀巴里」で音楽集団「新世紀音楽研究所」の主要メンバーとして活動するが、ヘロイン所持等で数度の逮捕され服役。60年代末に吉沢元治、豊住芳三郎とニュー・ディレクションを結成、他にも阿部薫やジョン・ゾーン等々との共演、自身のソロ・プロジェクト「アクション・ダイレクト」などなどで精力的に活動したが、91年に肝臓疾患で他界した。また、音楽活動と並行して営んでいたギター私塾の門下生には、渡辺香津美、山本恭司、大友良英などがいる。阿部薫は神奈川県川崎市出身のサキソフォン奏者で、19歳でデビューしフリー・ジャズのニュー・カマーとして評価を受けたが、78年に29歳の若さで急逝した。睡眠薬のオーバードーズによる自殺と言われている。サックス以外にも、ソプラニーノ、ハーモニカ、ピアノ、ギター等々でも演奏した。本作は、70年7月9日に渋谷のステーション '70で行われた共演ライヴを収録した発掘ライヴ盤で、ライナーは悠雅彦。この日の3セットのうち真ん中の第2セットで(同時リリースの「集団投射」が第1,3セット)、メンバーは、ギターの高柳、サックス、(リード付)尺八、クラリネット、ハーモニカの阿部のデュオ。70年6月28日の「解体的交感」も含め、この2人の即興演奏は、コール&レスポンスがあるようでないようなちょっと独特のスタイルで、フリー・ジャズ然としたアングラなサイケ感と瑞々しいスピリチュアル感が、シリアスで透徹した緊張感に収束。動と時間の「集団投射」と、静と空間の本作は、1つのライヴ作品の中で好対照を成す、ということらしい。
DIW盤
(Psyche/Free Jazz,Experimental / Jewel-case CD(2001) / DIW/Japan)