(中古/USED CD):98年の日本キング・インターナショナル盤/国内流通盤・廃盤
(状態/CONDITION):SLEEVE=A- (黄ばみ感少) / DISC=A
フランコ・バッティアートはシチリア島カターニャ出身のアーティストで、作詞、作曲、ボーカル、各種楽器、プロデュース等の音楽畑の他にも、画家やデザイナーとしても知られ、現在も活動を続けているイタリアのビッグ・ネームの1人。60年代中期にミラノでシンガーとしての活動を開始して68年にデビュー、72年からのブラ・ブラ・レーベル時代はアート・ロック、エレクトロニクス、ミニマル、実験音楽などのサイケ&プログレ系の作品群を制作。79年以降は再びポップス・シンガーとなって、ジュスト・ピオが本格的に絡むようになった80年代末以降は、クラシックの要素も取り入れた独特のサウンドを展開。本作は、72年にイタリアのブラ・ブラからリリースされたファースト・アルバムで、国内のキング・レコードが輸入盤(イタリアのアルティス盤)にオビ・解説を付けた国内流通盤、ライナーは松山晋也、邦題は「胎児」。クレジット・メンバーは、バッティアート、ジャンニ・モッケッティ、ジャンフランコ・ダーダ、セルジオ・アルマンガーノ、アルベルト・モンペリオ、エリザベッタ・ペッツェラ、リカルド・ロッリの7人、プロデュ−スはジュゼッペ・プレヴィーデ・マッサーラ。現代音楽からロック・地中海民族音楽までのゴッタ煮と、ジョン・ケージ的コラージュ手法を駆使した空間に、VCS3の無気味なうねりとバッティアートの晴れやかでくぐもったボーカルが響き渡る、ちょっと独特のアート・ロック系プログレ調サウンド。結局、実験音楽、サイケ、プログレであると同時にそのどれでもないという、説明になっていない説明が1番しっくりくるハミ出し感満点の別世界音楽という印象。正しくサイケで猥雑感十分だが、歌心が担保されたイタリアン・ロック感も魅力で、ともかくも面白い好盤と思う。この人は侮れない。21年5月に他界してしまった、合掌!。
キング・インターナショナル盤
(Progressive/Psyche,Art Rock,Experimental / Jewel-case CD(1998) / King,Artis Records/Japan,Italy)