(中古/USED CD):88年の日本MSI盤/国内流通盤・廃盤
(状態/CONDITION):SLEEVE=A (黄バミ感少々) / DISC=A
フランク・ザッパは、ボルチモア出身のギタリスト兼コンポーザーで、10歳の時にカリフォルニアに転居して高校時代からバンドを始め、マザーズ・オブ・インヴェンションやソロで多彩な活動を展開した解説不要のビッグ・ネーム。本作は、66年にUSAヴァーヴからリリースされたファースト・アルバムで、ザ・マザーズ・オブ・インヴェンション名義、85年USAライコディスク盤にオビ・解説を付けた国内流通盤、邦題は「フリーク・アウト」、ライナーは八木康夫、オリジナルLPは2枚組だったので2in1CD。メンバーは、ザッパ、レイ・コリンズ、エリオット・イングバー、ロイ・エストラーダ、ジミー・カール・ブラックの5人編成を基本に、ザッパのアレンジ、指揮、監督によるキーボードやストリングス、その他あれこれが適時入る。プロデュースはトム・ウィルソン。『「フリーク・アウトとは、音楽や踊り、その他諸々を通じて、ともかくも自分で自分自身を主張すること」で、俺たちはそうしているし、君たちもそうしないか?』とあって、いわゆるアート・ロックと呼べる範疇ではあるが、ブルース、R&B、ドゥー・アップ辺りを基調に、現代音楽的実験要素や先駆的プログレ感を織り交ぜた濃密なサウンドを展開。ザッパ的メロディやリフ、フレーズ、リズム・パターンなども、すでに随所に鏤められていて、太くて重い演奏も素直にカッコいい。「ブレイン・ポリス(頭脳警察)は誰だ?」を始め、シニカルで不良感十分の反社会的な歌詞は強烈で、ギラギラした空気感の演奏と相俟った異様なテンションは圧巻。猥雑で筋の通った、ともかくも正しくサイケな好盤と思う。
MSI盤
(Progressive/Psyche,Blues,R&B,Garage,Doo-Wop/ Jewel-case CD(1988) / Rykodisc,MSI/USA,Japan)