(中古/USED CD):94年の日本マーキー盤/国内流通盤・廃盤
(状態/CONDITION):SLEEVE=A-- (プラケ爪跡,オビ解説にヨレ有) / DISC=A
カルプ・ディアンは、69年にニースで結成されたレス・ラパセスというプロコル・ハルム・タイプのバンドを母体として、71年に改名したグループ。本作は、75年にフランスのアルカンからリリースされたファースト・アルバムで、邦題は「時間牢の物語」、ムゼア盤にマーキーがオビ解説を付けた国内流通盤、ライナーは野呂利治。メンバーは、クリスチャン・トリュシ、ジルベール・アベナンタ、クロード・M・ダヴィド、アラン・ベルジェ、アラン・ファローの5人編成で、バンドとアルフォンス・フォルト、ジャン・クロード・ポニャンの共同プロデュース。ちょっと独特の冷たい空気感を放つSF的ダーク・シンフォニック・プログレを展開してして、フレンチ・プログレ的なモワ~っとしたベッタリさが、スタイリッシュなSF感とダークネスに収束する感じの、結果としてカンタベリー・ロック的なエレガントさに繋がる面白いサウンド。甘いトーンのサックスとボーカル、プログレ然としたキーボード群、メロディアスなベース、少しハケット・ライクなギター、ジャジーで達者なドラムが、いい塩梅のマッチングで一体感を作り出していて、例えば初期パルサーにジャズ・ロック的要素を加味したような印象。全体にけっこう重厚かつ濃密で、スリーヴも含めわりと出来のよいダーク・ファンタジー・プログレ系の好盤と思う。尚、グループ名のカルプ・ディアンとは、ラテン語で『今を楽しめ』という程の意味で、通常は『メメント・モリ(死を想え)』と対語で使われ、能天気な享楽主義を表す言葉ではない。
マーキー盤
(Progressive/Symphonic,Jazz Rock / Jewel-case CD(1994) / Marquee,Musea/Japan,France)