(中古/USED CD):08年のフランス・ムゼア盤/輸入盤
(状態/CONDITION):SLEEVE=A / DISC=A
大山曜は東京都出身のマルチプレイヤー兼コンポーザーで、85年に新月の津田治彦主宰のフォノジェニック・スタジオでスタジオ・ミュージシャンとして活動を始め、88年にソロ・プロジェクトのアストゥーリアスを始動、マイク・オールドフィールド的プログレとして一定の支持を得た。90年代中盤以降は主にゲーム音楽等の仕事でアストゥーリアスは休止状態だったが、04年に「バード・アイ・ビュー」をリリースして復活、以後は従来の1人多重録音スタイルのアストゥーリアス、室内楽的編成のアコースティック・アストゥーリアス(アコアス)、バンド編成のエレクトリック・アストゥーリアス(エレアス)の3つのタイプを使い分けて活動している。本作は、08年にリリースされたアストゥーリアスのセクス・アルバムで、各種ギター、マンドリン、チェロ、ベース等々の弦楽器から、各種キーボード、グロッケンシュピール、パーカス、プログラミングまでマルチにこなす大山を軸に、曲によって新月の津田と花本彰、Lu7の栗原務、FLAT122の平田聡、アコースティック・アストゥーリアスの面々等が適時参加。アコースティック&エレクトリック・ギターの音色やフレーズ、ミニマリスティックなフラグメントをフラクタル構造で展開するアレンジ、いかにも多重レコーディング的な時間の積み重ねによる濃密感とフィクション性は、端的にいってマイク・オールドフィールドを彷彿させられる。大山本人がどの程度意識しているかは判らないが、多少のジャパニーズ・プログレ的エッセンスも織り交ぜられてはいるものの、70年代のマイク・オールドフィールドっぽいという形容が最も当てはまるだろうし、そう思って聴いて差し支えない感じ。ギター、ピアノ、シンセ、メロトロン、女性ヴォイス、チェンバー・アンサンブル、パーカス、ドラム等々によって、次々と繰り出される流暢なプログレ的展開はともかくも濃密で心地好く、相変わらず優等生的でスマート過ぎて毒はないが、緩急のクッキリしたアンサンブルの緻密さは素直に圧巻。バカテク・フュージョン系としてもいける、インスト・プログレ系の好盤と思う。
輸入盤
(Progressive/Symphonic,Fusion / Jewel-case CD(2008) / Musea/France)