(中古/USED CD):05年のイタリアEMIミュージック盤/輸入盤・廃盤
(状態/CONDITION): SLEEVE=A / DISC=A
アラン・ソレンティはナポリ出身のカンタウトーレ(シンガー・ソング・ライター)で、異様な夢遊病的路線のサードまでと、洗練されたAOR路線に豹変したフォース以降に大別されるが、少なくともサードまでの浮世離れしたサウンドは、ともかくも強烈なインパクトを放つ孤高の存在。本作は、74年にイタリアEMIからリリースされたサード・アルバムで、05年新規リマスター盤(CCCD)、TESオビ・解説付。メンバーは、ボーカル、アコースティック・ギター、シンセ、プロデュース兼任のソレンティを核に、トニー・エスポジト、エンゾ・カステッラ、レノ・リモーネ、マーク・ハリスの5人編成。前2作の妖しい狂気振りがあまりに強烈だったためか、本作では極めて真っ当なカンタウトーレものにも聴こえる、適度にバンド感が担保されたフォーク・ロック調サウンドを展開。前2作で全てのエネルギーを使い果たしたかのように、淡々とアンニュイで虚ろ気な、何とも穏やかでセンチメンタルなシンギング、出過ぎず引っ込み過ぎずで雰囲気のよいバックのアンサンブル、地中海の夕暮れって感じのアンバーな楽曲が、わりといい塩梅のマッチングを見せる。全体に、独特の解放感を伴うプカプカした浮遊感と妖しげなトリップ感が担保されていて、アンダーグラウンド・ミュージックの持つ猥雑さは前2作から連続している印象で、これはこれで非常に心地好いウェットな情感を堪能出来る。この人の魅力が派手な狂気だけでなく、その背後に漂う猥雑なアンダーグラウンドの香りでもあるとするならば、本作も前2作と同じ耳で楽しめる、プカプカ&ヘロヘロの不思議な魅力を放つ好盤と思う。
輸入盤
(Progressive/Psyche,Acid Folk,Folk Rock / Jewel-case CD(2005 Re-master) / EMI/Italy)