(中古/USED CD):95年の日本キング・インターナショナル盤/国内流通盤・廃盤
(状態/CONDITION):SLEEVE=A / DISC=A
アレアはミラノ出身のグループで、デメトリオ・ストラトスやパトリツィオ・ファリセッリが中心となって72年に結成されている。ギリシア人であるデメトリオのバルカン地方の伝統歌唱スタイルを取り入れた独特のボーカルと、世界でもトップクラスであろう尋常ならざるバカテクな演奏が錯綜する、イタリアン・プログレ屈指の変態感を放つ唯一無比で希有なビッグ・ネーム。本作は、79年にデメトリオ追悼盤としてイタリアのクランプスからリリースされたアルバムで、国内のキング・インターナショナルがイタリアのアルティス/クランプス盤にオビ・解説を付けた国内流通盤、邦題は「イヴェント76」、ライナーはJOJO広重、94年新規リマスター盤。「マレディッティ」にゲスト参加していた御大スティーヴ・レイシーとポール・レイトンに、アレアからデメトリオ、パトリツィオ・ファリセッリ、パオロ・トファーニという5人編成で76年に行われたライヴ音源で、クラウディオ・ロッキとトファーニの共同プロデュース。他のアレアの作品とは一線を画すフリー・インプロヴィゼイションを展開していて、雄叫び、囁き、唸るボーカル、乾いた音の鋭角なピアノ、グニャグニャなギターとノイジーなシンセ、しゃべるようなサックスとパーカスによる、終始攻撃的でカオティックなヘヴィネス即興がどこまでも続き、オチはない。聴く側にも体力を要求するサウンドだが、このエネルギーと音のリアルさはともかくも凄まじく、有機的な生き物の気配と無機的な人工的な音の交叉と混沌は、例えば動物園のようなイメージや文明批判的なニュアンスも感じられる印象。演奏する姿はさぞ圧巻だったと思われ、出来れば生で観たかったものだ。
キング・インターナショナル盤
(Progressive/Experimental,Psyche / Jewel-case CD(1995 '94Re-master) / King,Artis/Cramps/Japan,Italy)