UKのフレッジ・リングからのリシュー。シャーリー・コリンズはイースト・サセックス州ヘイスティングス出身のトラディシャンで、55年にフォーク系のオムニバス・シングルでデビュー以降70年代末に引退するまで(16年に復活)、リヴァイバリスト系のトラディシャンとして活動した知る人ぞ知る存在。特に60年代末頃からは、姉のドリーと共にデュオ・ユニットを結成、古楽色を取り入れ英国の湿ったくぐもり感を体現する独特のサウンドを展開した。デイヴィ・グレアムはレスターシャー出身のギタリストで、10代後半にギリシャ、北アフリカ、フランスなどを路上演奏しながら放浪、帰国後の62年にシングル・デビューして、トラッド、ブルース、ジャズ、アレビック、インディック等々の要素を織り交ぜた変則チューニングのフォークを展開した。彼を師匠と仰ぐバート・ヤンシュを始めとして、ジョン・レンボーン、ジミー・ペイジ、ポール・サイモン、レイ・デイヴィス等々、数多のギタリスト達からリスペクトを受けるアコースティック・ギターの名手。本作は、64年にUKデッカからリリースされたデュオ名義唯一のアルバムで、メンバーは、ボーカルのシャーリー、ギター&バンジョーのグレアムのデュオ編成、プロデュースはレイ・ホリックス。「ノッタムン・タウン」や「チェリー・トゥリー・キャロル」、「ロード・グレゴリー」や「ラヴ・イズ・プリージン」といった著名バラッドを多く取り上げ、バートによく似た(バートが似ているのだが)デイヴィの控え目だがとても上手いギターをバックに、シャーリーのくぐもった独特のボーカルが淡々と流れる。数曲のカッコいい変則チューニングのギター・ソロ曲も含め、独特のマッチングと響きの心地好さがセピア感に収束する好盤と思う。
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(Trad&Folk/British Trad,Blued / Jewel-case CD(2005) / Fledg'Ling/UK)