ドイツのECMプロダクションからのリリース。スリップ・ケース付で、ここではそのスリップ・ケースを載せた。ジューン・テイバーはウォリックシャー州ウォリック出身のトラッド・シンガーで、マディ・プライア(ex.スティーライ・スパン)とのデュオ・ユニットのシリー・シスターズや、オイスター・バンドでの活動でも知られていると思うが、いわゆるリバイバリストとしてオーセンティックなアレンジの他、時にはジャズのエッセンスを取り入れたりもしながら、現在もソロで活動する孤高の存在。イアン・バラミーはサリー州ギルドフォード出身のサックス奏者で、ビル・ブルーフォードズ・アースワークスやジャンゴ・ベイツでの活動で知られていると思う。ヒュー・ウォーレンはウェールスのスワンシー出身のピアニストで、ジャズ畑での活動の他、ジューンのアレンジャーとして長きに渡って共演している。本作は、17年にリリースされたクエルクス名義セカンド・アルバムで、メンバーは、前作と同じジューン、バラミー、ウォーレンのトリオ編成、バラミーとウォーレンの共同プロデュース。基本的には前作の延長線上にある、トラッド+ECMジャズ的様相のサウンド変わらずだが、バランス的にはECMジャズ的要素よりもジューン的トラッド感が強くなっている印象で、ボブ・ディランやレナード・バーンスタインのカヴァーも含め、ともかくも静謐で美しいサウンド。元々90年代後半以降のジューンの作品群には、このECM的透明感に近似するエレガントさはあったが、まるで当然のようにハマっていて非常に心地好い。前に出ないまま濃密という、上質かつ上等な大好盤と思う。余談だが、クエルクスはラテン語でカシやナラの木を指す単語。素晴らしい!。
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輸入盤
(Trad&Folk/British&Scotish Trad,Jazz / Jewel-case CD(2017) / ECM/German)