UKのヴァーティカル・レコードから、デジパックでのリリース。カレン・マシスンはスコットランドのアーガイル州テインイルト出身の女性シンガーで、何よりカパケーリ(ケーパーケイリー)のボーカリストとして知られていると思う。本作は、15年にリリースされたソロ名義フォース・アルバムで、前作「ダウンリヴァー」から10年振りのソロ作品。メンバーは、カレン、ドナルド・ショウ、エウイン・ヴァーナル、イネス・ホワイト、ソレン・マクレーン、マシュー・ワトソン、シグニー・ヤコブスドッティルの7人を軸に、曲によってジェームズ・グラント、ジョン・ドイル、アリエン・コスカー、マイケル・マクゴールドリック等の他、ミスター・マクフォールズ・チェンバーのストリングスが入る。プロデュースはショウ。9曲がトラッド、4曲がオリジナルだが、お互いに溶け込んでいて全く違和感なく並んでいて、相変わらずエレガントでソフィスティケイトされた上質なサウンドを展開。ショウとヴァーナル、マクゴールドリックはカパケーリの僚友で、カパケーリほどリズムは派手ではないものの、概ねしっとりしたアレンジの中にも小気味よいリズムが何かしら淡々と流れていて、抑えた情感が染み入るボーカルのメロディと上手いマッチングを見せる。アコースティック&エレキ・ギター、ブズーキ、フィドル、マンドリン等の弦楽器とピアノ&アコーディオンを中心としたアンサンブルと、(ゲール語ゆえ意味はわからないが)50歳を超えてより深味が増したカレンのシンギングの絡みは、ともかくも絶妙で心地好い。柔らかくて上品なポップネスとトラッド基調の淡い哀愁が、美しい楽器の響きの中で交叉する好盤と思う。素晴らしい!。
只今在庫切れとなってしまいました。ご予約オーダー・お問い合わせ等は、問い合わせフォームからお受けいたします。入荷見込み・時期など現在の状況を改めてお知らせいたします。
輸入盤
(Trad&Folk/Scottish Trad,Folk / Digi-Pack CD(2015) / Vertical Records/UK)