UKのトピックからのリリース。ジューン・テイバーはウォリックシャー州ウォリック出身のトラッド・シンガーで、マディ・プライア(ex.スティーライ・スパン)とのデュオ・ユニットのシリー・シスターズや、オイスター・バンド、クエルクス等での活動でも知られていると思うが、いわゆるリバイバリストとしてオーセンティックなアレンジの他、時にはジャズのエッセンスを取り入れたりもしながら、現在もソロで活動する孤高の存在。本作は、88年にリリースされたセクス・アルバムで、ボーカルのジューンを中心に、マーティン・シンプソン、リック・サンダース(ex.ソフト・マシーン,セカンド・ヴィジョン,フェアポート・コンヴェンション)、イアン・ブレイク、ヒュー・ウォーレン、デイヴ・ブリストウのお馴染みのメンバー達が曲によってバックを担当、プロデュースもアンドリュー・クロンショウ。トラッド・チューンは半分程だが、全体に非常にしっとりとして落ち着いた佇まいで、「アビシニアン」同様に適度なトラッドの重さと暗さを放つサウンドを展開。ホワ~っとした空間を見事に創り上げるウォーレンとブリストウのキーボードや、さざ波のように繊細なダイナミズムを操るサンダースのヴァイオリン、アンバーなトーンのシンプソンのギターなど、控え目だが的確なバックも勿論申し分なく、テイバーのくぐもった声のボーカルとのマッチングも素晴らしい。数曲で聴ける無伴奏バラッドでのシンギングも、ジワ~っと胸に染み込んで滲んでいく感覚は圧巻。全体に、わりと淡々として地味な印象かも知れないが、確実に時間の流れと空気の色が変わり、優れた瞑想感も放つ好盤と思う。素晴らしい!。
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(Trad&Folk/British&Scottish Trad / Jewel-case CD(1988) / Topic/UK)