USAのキル・ロック・スターズから、見開きデジスリーヴでのリリース。デヴィン・ホフは、おそらくコロラド州生まれオークランド育ちのベーシスト兼コンポーザーで、ウッド・ベース&コントラバスを主軸に01年頃から活動を開始。ソロやチェス・スミスとのグッド・フォー・カウズの他、ジュリア・ホルター、ネルス・クライン、マークリボー、チボ・マット等々、幅広い共演活動でも知られているかも知れない。本作は、21年にリリースされたソロ名義アルバムで、サブ・タイトル通りアン・ブリッグスの発表したトラッド曲のカヴァー集。メンバーは、ウッド・ベース&ギター、プロデュース兼任のホフを軸に、曲によってジュリア、シャロン・ヴァン・エッテン、シャノン・レイ、エメット・ケリー、ハワード・ワイリー、アレハンドロ・ファルア等が適時参加。ボーカル曲もインスト曲も、ウッド・ベースを主幹としたアレンジで、時に弓弾きも交えたドローン的ウッド・ベース空間に、ボーカル、サックス、オウド、ギター等が淡々と鳴り響く、非常にシンプルなアンサンブルを展開。中スリーヴの『これらは、愛と死と孤独の歌たちです』との文言通り、決してキャッチーなサウンドではないが、少しトム・コラにも似たポスト・ロック調の冷たいウッド・ベースの響きは、必然的にRIO系チェンバー・ロック感も内包していて、全体がトラッド的内省感に収束する静謐さは見事。音響系の要素も踏まえたサウンドスケープは、トラッド作品としては異色かも知れないが、アンを通してトラッドに向き合い、自分なりに咀嚼した結果としての好盤と思う。面白い!。
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輸入盤
(Trad&Folk/Trad,Psyche,Chamber / Digi-Sleeve CD(2021) / Kill Rock Stars/USA)