UKのシーリー・コート・デジタルから、マット紙見開きデジスリーヴでのリシュー。21年新規リマスター盤、380枚限定プレス、多分初CD化。クルキッド・オークは、おそらくタイン・アンド・ウィア出身のグループで、72年に結成されたスティーヴ・エヴァンスとポール・バグリーのフォーク・デュオを母体としている。73年以降は3または4人編成で活動、76年と79年に2枚のアルバムをリリースした。本作は、76年にUKフォークランドから500枚プレスの自主制作盤としてリリースされたファースト・アルバムで、メンバーは、エヴァンス、バグリー、バリー・ウォーカーのトリオ編成、プロデュースはテオ・ジョンソン。ジョンソンは、ロンドンのフォーク・クラブ兼レーベル「フォークランド」のマネージャーで、クルキッド・オークのクラブでの演奏を気に入ってアルバム制作に至ったらしい。概ね、スコティッシュ&アイリッシュ・トラッド的マテリアルを基調に、イングランド北東部のエッセンスも交えた正調トラッド方面のサウンドを展開していて、牧歌的ないなたさやくぐもり感が、いわゆるトラッド的哀愁に収束。ホイッスルとフィドルは素朴な情感十分で、全体としてもトラッド・マナーが前面に出ている印象だが、エヴァンスのシンギングとギターには主役として前に出る感じがあって、その意味では非常にトラッド的ながらもオーセンティックとはいえないかも知れない。演奏自体はそれ程上等なものではないが水準はクリアしていて、ともかくもトラッドへの敬意は十二分に感じられる。例えばディック・ゴーハンやシリー・ウィザード辺りの、スコッティッシュ・トラッド系の素朴さや清々しさに近い空気感があって、その方面が好きなリスナーはけっこう楽しめると思う。
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輸入盤/限定380枚プレス
(Trad&Folk/Scotish&Irish&British Trad / Digi-Sleeve CD(2021 Re-master) / Seelie Court Digital/UK)