国内の琉球ヴァイオリン(大城敦博本人のレーベル)から、、ボーナス1曲を加えての、限定ペーパースリーヴでのリリース。見開き紙ジャケ仕様。大城敦博は沖縄県那覇市出身のヴァイオリン/ヴァイパー(エレクトリック6弦ヴァイオリン的楽器)奏者で、93年に沖縄のトラッド曲「てぃんさぐぬ花」の伴奏を、ヴァイオリンのピチカード奏法で行って以降、アイリッシュ・トラッドのフィドル奏法などにもヒントを得て、ヴァイオリン&ヴァイパーで沖縄音楽を表現する試みを続けている。みゅーず、ホット・ロッド・チョコレート、ボトムズ・アップ、シセアン(シテアン)・ムゥ・バロック等々、ケルティックやブルーグラス、カントリー、クラシック系のユニットやグループでの活動も経て、現在は京都府南丹市を拠点に、ソロの他ヴィオラ・デ・ガンバ奏者中野潔子とのデュオでも並行活動中。本作は、21年に自主制作盤としてリリースされたサード・アルバムで、メンバーは、全編ヴァイパーを弾く大城を核に、曲によってジョージ紫(ex.ムラサキ,etc)、スエヨシヒデユキ、古堅圭一、Chris、LEON、アルベルト城間等々が適時参加。今回は全て大城のオリジナル曲で、沖縄民謡風、アイリッシュ・トラッド風、クラシック風、プログレ風などの様々な要素がゴッタ煮的に交叉するインスト・サウンドを展開。ジョージ紫などが参加している曲はバンド感十分で、ヴァイオリン入ロックとしても成立しているが、ブックレット中で大城本人が『アイリッシュ調ポルカ』や『琉球リール』などと度々解説している通り、ケルティック・トラッドの軽快なリズムを基調として、そこにクラシック的なセンスを織り交ぜた面白いサウンド。大城はヴァイパーをアンプ内蔵に改造して、その場で弾いたフレーズを録音&ループ可能なアタッチメントを使って、1人で多重アンサンブルを出す強力なパフォーマンスを行なっていて、それがよく判るボーナス曲も含め、プログレの耳でもけっこう楽しめる好盤と思う。台湾プレス盤
琉球ヴァイオリン盤/台湾プレス盤(Taiwan-pressing CD)
(Trad&Folk/Ryukish Trad,Irish Trad,Classic,Progressive / Paper-Sleeve CD(2021) / Ryukish Violin/Japan,Taiwan)