USAのフリー・ダート・レコードから、デジスリーヴでのリシュー。アンナ&エリザベスは、バージニア州フロイドを拠点として活動する女性デュオ・ユニットで、主にアパラチア山脈地方のトラッド・チューンを採取して演奏活動を行っているようだ。本作は、12年にプライヴェート・プレスの自主制作としてリリースされたファースト・アルバムで、メンバーは、アンナ・ロバーツ・ゲヴァルト、エリザベス・ラプリールのデュオ編成、プロデュースはジョセフ・デジャネット。地元のヴァージニアやアラバマの他に、テキサスのバラッド・チューンを多く取り上げていて、子守唄や鉄道夫労働歌、プロテスタント教会の『セイクレッド・ハープ』伝承歌等々、全体に淡々としたオーセンティックな空気感が漂う。アンナとエリザベスのシンギングとハーモニー・コーラスは、カントリーの源流となったアイルランド/ケルト系の泥臭さを放っているが、その泥臭さ加減が丁度いい塩梅でしつこくなく、バンジョー、フィドル、アコースティック・ギターを適時使ったシンプルな演奏が相俟って、トラッド然とした素朴で枯れた味わいがともかくも心地好い。セピア調の乾いた郷愁感とアンニュイさ、トラッドに対する敬意と主役は曲という前に出ない佇まい、歌と演奏への真摯な緊張感が同居する、超然としたトラッド的時間感覚を堪能出来る文句なしの好盤と思う。どこかアシッド・フォーク的なスモーキーさも見え隠れしていて、確実に時間の流れと空気の色が変わる。素晴らしい!。
只今在庫切れとなってしまいました。ご予約オーダー・お問い合わせ等は、問い合わせフォームからお受けいたします。入荷見込み・時期など現在の状況を改めてお知らせいたします。
輸入盤
(Trad&Folk/Trad,Swamp,Roots / Digi-Sleeve CD(2016) / Free Dirt/USA)