リヒテンシュタインのハイフライ・サウンド・アンスタルトから、デジパックでのリシュー。ウェイティング・フォー・ザ・サンはハートフォードシャー州ウィートハムステッド出身と思われるユニットで、キリスト教布教活動を伴ういわゆるクリスチャン・フォーク系のグループだったらしい。本作は、78年にUKのプロファイルから500枚生産のプライヴェート・プレス盤としてリリースされた唯一のアルバムで、メンバーは、イヴォール・トワイドル、ダスティ・ミラー、ロバート・マイケルのトリオ編成を基本に、曲によってニック・バトル、タムシン・ジンジャーが適時ゲスト参加。トワイドルとバトルの2人は、同時期のアフター・ザ・ファイアーのメンバーだったとの噂もあるが、真偽の程は定かでない。概ね、スワンピーなフォーク&フォーク・ロックと呼べるサウンドを展開していて、アコギのストロークやアルペジオを骨格に、フルートやドラム、爽やかなボーカルが適時絡むシンプルなスタイル。一応トリオ編成となっているが、ボーカル、アコースティック・ギター、フルート、シンセ、ドラム等をマルチにこなすトワイドルのワンマンに近く、ミラーのエレキ・ギターとマイケルのベースは装飾的に入る感じ。全体のブリティッシュ的いなたさと土臭さ、ほんわかした煮え切らなさは、例えばフォーマリー・ファット・ハリー辺りにも通じる印象。オリジナルLPは著名プレミアム・アイテムだが、クリスチャン・フォーク系の過剰な明るさや清楚感、宗教っぽさはあまり感じられす、このツルっとした爽やかさはスワンプ・フォーク系愛好家なら普通に楽しめると思う。
輸入盤/デッドストック入荷
(Folk&Folk Rock/Swamp,Folk / Digi-Pack CD(2015) / Hifly Sound/Liechtenstein)