UKのホワイト・ナイト・レコードからのリリース。タイガー・モス・テイルズは、ノッティンガムシャー出身のピーター・ジョーンズのソロ・ユニットで、ジョーンズはアダルト・コンテンポラリー・ミュージック(AC)畑で活動する盲目のマルチ奏者。リスナーとしては子供の頃からのプログレ愛好家で、ジェネシス、スティーヴ・ハケット、ロイネ・ストルト、フロスト、ビッグ・ビッグ・トレイン等の影響を反映したサウンドを制作するプロジェクトとして、このタイガー・モス・テイルズを立ち上げたらしい。何より、17年のキャメルの来日公演に急逝したギ・ルブランの代役として参加していたので、知っている人もいるかも知れない。本作は、14年にリリースされたファースト・アルバムで、ギター、キーボード、ボーカル、ドラム・プログラミング、サックス、ホイッスル、サロード、チター、メロディカ等々、ほぼ全てのパートをジョーンズが1人で担当、一部にマーク・ワーデルのフリューゲル・ホルンが入る。概ね、当世風ヘヴィ・シンフォニックと呼べるサウンドを展開しており、ジェネシスとスティーヴ・ハケットの影響が大きく感じられるサウンド。コンピューターとプログラミングを駆使して、非常に端正で破綻のないシンフォニック・サウンドを構築していて、ギターや各種弦楽器&キーボードなどの楽器パートも違和感なくハマっており、少しだけガブリエルっぽさもあるボーカルも流暢。元々AC畑ということもあってか、楽曲自体はメロディアスかつキャッチーで聴きやすく、ハケット的ギターやジェネシス的情感も含め、シンフォニック・プログレ的様式を踏まえたアレンジや各パートの音色も優等生的で上等。この手としては十分に出来のよい好盤だが、ある意味流暢過ぎて引っ掛かりには欠けるかも知れない。
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輸入盤/デッドストック入荷
(Progressive/Heavy Symphonic / Jewel-case CD(2014) / White Knight Records/UK)