イタリアのエピックトロニックからのリリース。国内のエピックトロニック・ジャパンが、輸入盤にオビ解説を付けた国内流通盤。ザ・マイティ・バードはバッキンガムシャー州エイルズベリー出身のグループで、デイヴ・クラークとニール・コックルが中心となって04年に結成されている。イギリスのギルフェストやドイツのグラニート・アリーナ・フェスへの出演、ジ・エニドのサポート・アクト等を経て、14年にファースト「ブルー・ゴッド・アンド・アザー・ストーリーズ」をリリースした。本作は、前作から9年振りにリリースされたセカンド・アルバムで、メンバーは、前作からのクラーク、コックル、マーク・チャドマンの3人に、新たにベンジー、マーク・パーカー、トム・ミアを加えた6人編成で、ジョン・ワットとヤロン・フックスの共同プロデュース。基本的には、前作からのピンク・フロイドとジェネシスのプログレ的情感を基調とした、70年代回顧型シンフォニック・プログレ方面変わらずだが、クッキリと歌い上げるタイプのベンジーのボーカルと、随所でアクセントを付けるパーカーのヴァイオリンが加入したことで、明らかにアンサンブルにメリハリが出ている印象。メインストリーム系のキャッチーさ内包の楽曲も、メロディアスな哀愁さ加減の洗練感が増していて、それなりの場面転換を担保しつつ詰め込み過ぎないアレンジもいい塩梅で、メンバーたちがそれなりの年齢ということもあってか、全体に浮ついたところがなく流していて素直に心地好い。この線としては70年代感のハマりがよく、ダンカン・ストーのファンタジックなスリーヴ・イラストも含めけっこうな好盤と思う。
エピックトロニック・ジャパン盤
(Progressive/Symphonic,Pops / Jewel-case CD(2023) / Epictronic,Epictronic Japan/Italy,Japan)