UKのエソテリック・レコーディングスから、11年新規24ビット・リマスターでのリシュー。規格番号もバーコードも11年盤と同じだが、おそらく23年再プレス盤と思われる。イリュージョンは、元オリジナル・ルネッサンスのジム・マッカーティ、ジェーン・レルフ、ジョン・ホークン(ex.ストローブス,etc)、ルイス・セナモ(ex.アーマゲドン,コロシアム,スティームハマー,etc)が、76年に急逝したキース・レルフの遺志を受け継ぐ形で結成した、再編ルネッサンスとも云うべきグループ。本作は、77年にUKアイランドからリリースされたファースト・アルバムで、メンバーは、マッカーティ、ジェーン、ホークン、セナモ、ジョン・キングスブリッジ(ex.ハグ,etc)、エディ・マクニール(ex.ストレンジ・デイズ),etcの6人編成、ダグ・ボギーとバンドの共同プロデュース。概ね、オリジナル・ルネッサンスのクラシック色をある程度担保しつつ、エレガントなポップネスと涼やかなアコースティック感を加味した、湿った英国の香りフォーク・ロック・プログレ調サウンドを展開。掴みとしての1曲目の役割を十二分に果たす「イザドラ」、ルネッサンス時代のセルフ・カヴァー「フェイス・オブ・イエスタデイ」を始めとして、全体にアンバーで耳触りの柔らかい質感と嫌味のないキャッチーさ十分で、流していて非常に心地好い。コロコロしたピアノ、メロディアスなベース、くぐもった男女ボーカルを軸とした淡い情感のアンサンブルが、透明感内包の落ち着いた佇まいに収束する、わりと文句なしの好盤と思う。ともかくも、前述の2曲の品のよい美しさは絶品。
輸入盤
(Progressive/Symphonic,Folk Rock,Pops / Jewel-case CD(2023 '11 24bitRe-master) / Esoteric/UK)