小川銀次本人のレーベルである国内のパワー・レコードからのリリース。小川銀次は茨城県龍ケ崎市在住のギタリストで、何よりRCサクセションでの活動で知られていると思う。78年にクロスウインドでデビュー後、川上シゲ& Zone、カルメン・マキ Band、前述のRCサクセションの他、湯川トーベンや仲井戸麗市(チャボ)とのALPHABETS、イージーズ、フラジャイル、ビート・タケシ・バンド等々を経て、00年以降は基本ソロ活動に転じた。15年8月2日に大腸癌で他界。本作は、先に12枚組ボックスでリリースされている、「プライベート・ダイアリー」シリーズの続編(第13弾)として単独リリースされた作品で、現在のところ最新譜。ギターは勿論、リズムマシーン等々全てのパートを小川が1人で多重録音するという制作過程は、従来の「プライベート・ダイアリー」シリーズと変わらない。ゼップの「レヴィー・ブレイク」を少し彷佛させるドラムに導かれて始まる1曲目から、重厚な泣きのギターが心地好い3,9曲目や、トリッキーな5曲目、キャッチーで洗練感のある7曲目、大プログレ大会となる8,10曲目等々、全編に渡って小川の美しく歪んだギターが炸裂するテンションの高い好サウンド。リフやフレーズ、テーマとなるメロディがよく練られて聴きやすく、アレンジや展開も無理がなくて打ち込みのチープさはない。小川のギターはとにかく聴いてて心地好く、正統派ロック・ギター・アルバムと思う。合掌!。
パワー・レコード盤
(Progressive/Fusion,Hard,Symphonic / Jewel-case CD(2003) / Power Record/Japan)