小川銀次本人のレーベルである国内のパワー・レコードからのリリース。小川銀次は茨城県龍ケ崎市在住のギタリストで、何よりRCサクセションでの活動で知られていると思う。78年にクロスウインドでデビュー後、川上シゲ& Zone、カルメン・マキ Band、前述のRCサクセションの他、湯川トーベンや仲井戸麗市(チャボ)とのALPHABETS、イージーズ、フラジャイル、ビート・タケシ・バンド等々を経て、00年以降は基本ソロ活動に転じた。15年8月2日に大腸癌で他界。本作は、先に12枚組ボックスでリリースされた「プライベート・ダイアリー」シリーズのバラ売り第10弾。レコーディングはタイトル通り99年6月で、全編小川による1人多重録音。何より、1曲目に77年のクロスウインドのライヴ音源が収録されていることもあってか、本シリーズの中では最も好セールスな1枚らしい。クロスウインドのライヴ音源では、小川はかなりブルージーなギターを弾きまくっていて、わりとザッパを彷佛させられる印象。カッコいいアコギのリフから始まりプログレ展開する2,3曲目、重厚で拡がりのある4曲目、空ピックの間がカッコいいストロークが入る5曲目までは、随所にアコギが使われていてこのシリーズでは新境地かも知れない。ボリューム奏法的なアタックのない柔らかなソロが印象的な6曲目、ナチュラルな音色のブルージー・ギターが心地好いドローン系の7曲目、小川流哀愁ナンバーの軽やかな8曲目と続く。9曲目は94年3月のソロ・ライヴ音源で、リバーヴの効いたアコギ・ソロ・パフォーマンスなのだが、けっこう超絶で綺麗。10曲目は例によって次作への繋ぎナンバーで、大曲「グッド・バイ・アース組曲」への期待が膨らむ。合掌!。
パワー・レコード盤
(Progressive/Fusion,Hard,Symphonic / Jewel-case CD(2001) / Power Record/Japan)