小川銀次本人のレーベルである国内のパワー・レコードからのリリース。小川銀次は茨城県龍ケ崎市在住のギタリストで、何よりRCサクセションでの活動で知られていると思う。78年にクロスウインドでデビュー後、川上シゲ& Zone、カルメン・マキ Band、前述のRCサクセションの他、湯川トーベンや仲井戸麗市(チャボ)とのALPHABETS、イージーズ、フラジャイル、ビート・タケシ・バンド等々を経て、00年以降は基本ソロ活動に転じた。15年8月2日に大腸癌で他界。本作は、先に12枚組ボックスでリリースされた「プライベート・ダイアリー」シリーズのバラ売り第8弾。レコーディングはタイトル通り98年7月で、全編小川による1人多重録音。本作は、小川のハミングが入る1,10曲目やしつこくない哀愁の3,4,8,9,11曲目、涼しげな6,7曲目等々、全体にわりとサワヤカなナンバーが多く、他の「プレイヴェート・ダイアリー」シリーズに比べてよりゆったりしている印象。元々このシリーズはリリースするつもりはなくて、タイトル通りプライヴェートなレコーディングだったらしく、そのプライヴェートな雰囲気が全シリーズ中最も顕われているアルバムと云えるかも知れない。確かに全体にゆるい感じだが、それでもハードな炸裂を見せる2,5曲目辺りはかなりカッコよく、決してサウンドがダレているわけではない。全編に漂うこのやさしい感じは、小川本来の人柄なのかも知れないと思った。合掌!。
パワー・レコード盤
(Progressive/Fusion,Hard,Symphonic / Jewel-case CD(2001) / Power Record/Japan)