小川銀次本人のレーベルである国内のパワー・レコードからのリリース。小川銀次は茨城県龍ケ崎市在住のギタリストで、何よりRCサクセションでの活動で知られていると思う。78年にクロスウインドでデビュー後、川上シゲ＆ Zone、カルメン・マキ Band、前述のRCサクセションの他、湯川トーベンや仲井戸麗市(チャボ)とのALPHABETS、イージーズ、フラジャイル、ビート・タケシ・バンド等々を経て、00年以降は基本ソロ活動に転じた。15年8月2日に大腸癌で他界。本作は、先に12枚組ボックスでリリースされた「プライベート・ダイアリー」シリーズのバラ売り第7弾。レコーディングはタイトル通り97年12月で、全編小川による1人多重録音。本作は、ベックの「スキャッター・ブレイン」と「レッド・ブーツ」を混ぜてさらにハイテンションにしたような1曲目から全開で、そのままの炸裂テンションで2,3曲目と続く。このガツーンとインパクト大の3曲が何よりカッコいいが、ハーモニカとアコギがノスタルジックな味わいの4曲目、ちょっとつたないピアノがポカポカした優しさ感じさせる5曲目、会話をコラージュした導入から一挙にメタリックな炸裂を見せる6曲目、7拍子のポップ・ナンバーの7曲目、ラグタイム調のブルージーなアコギとメロディアスなベース・ソロ(3曲目にもあった)が入る8曲目で一区切り。抒情的な哀愁のギター・ソロが心地好い9曲目から、幻想的な導入から重厚な盛り上がりを見せる10曲目と、どっしりとした小川的プログレ・ナンバーが続き、94年10月のライヴ音源の静かなギター・ソロ・ナンバーで幕を閉じる。合掌！。
パワー・レコード盤
(Progressive/Fusion,Hard,Symphonic / Jewel-case CD(2001) / Power Record/Japan)
