小川銀次本人のレーベルである国内のパワー・レコードからのリリース。小川銀次は茨城県龍ケ崎市在住のギタリストで、何よりRCサクセションでの活動で知られていると思う。78年にクロスウインドでデビュー後、川上シゲ& Zone、カルメン・マキ Band、前述のRCサクセションの他、湯川トーベンや仲井戸麗市(チャボ)とのALPHABETS、イージーズ、フラジャイル、ビート・タケシ・バンド等々を経て、00年以降は基本ソロ活動に転じた。15年8月2日に大腸癌で他界。本作は、先に12枚組ボックスでリリースされた「プライベート・ダイアリー」シリーズのバラ売りで、第2弾。レコーディングは96年2月で、全編小川による1人多重録音。第1弾のラスト・ナンバーをそのまま引き継いだリフ(このシリーズは必ずそうなっていて、この曲の掛け橋が1つの特徴)による、ちょっとジェネシスっぽい雄大な1曲目から、間髪を入れず炸裂ハード・プログレの重厚な2曲目へと突入する下りがまずカッコいい。その後いかにもサイが大地をゆるがしながらダダをこねている感じの3曲目や、ザッパの「ウォーターメロン~」的な拡がりにザッパっぽいソロが映える5曲目、ハモニカの音色がちょっとセンチでホっとするような6曲目、再びジェネシスっぽい8曲目、タイトル通りモロにブキャナン的な泣きのトーキング・テレキャスが炸裂する9曲目等々、けっこう素直に楽しめる。1人多重なのに、このバンド感は不思議というか、真っ当にロック感十分。合掌!。
パワー・レコード盤
(Progressive/Fusion,Hard,Symphonic / Jewel-case CD(2001) / Power Record/Japan)