国内の那由他計画から、見開き紙ジャケ仕様でのリリース。那由他計画は、元プロビデンスの塚田円が横浜／東京で新たに結成したグループで、本作は20年に自主制作盤としてリリースされたファースト・アルバム。メンバーは、塚田、世良純子(ex.ALHAMBRA,etc)、月本美香(ex.浪漫座,etc)、和田俊寿(ex.Usopions,etc)、多良洋祐(ex.金属恵比須)、野口雅彦(ex.キクラテメンシス,Red & White,etc)の6人編成を基本に、曲によって中村未央(ex.RETROxFUTURE)、大西玲葉が適時ゲスト参加。概ね、80年代ジャパニーズ・プログレ感が担保された、ヘヴィ・シンフォニック調サウンドを展開していて、プロビデンス時代のマテリアルのリメイクも含め、プロビデンス的要素がほぼそのまま継承されている印象。アニソン的マナーのツイン女性ボーカルと、歌謡曲調メロのハマりは悪くなく、イエス、ジェネシス、キング・クリムゾンのらしさが混在するアレンジと演奏が、変拍子を交えたベタなシンフォニック・プログレ感に収束。ツボを押さえたキーボード群、ブルース色の薄いギター、ブイブイ系のベース、ドカドカ・タイプのドラムによるアンサンブルは、ハード色とフュージョン色が同居するテクニカルさを標榜しつつも、長すぎるかも知れないインスト・パートとカルメン・マキ的要素も内包するボーカル・パートとが、互いに微妙なバランスを保とうとする感じ。例えばページェントやプロビデンス方面の、80年代ジャパニーズ・プログレ系ど真ん中の線として、愛好家ならまずもって楽しめると思う。
那由他計画盤／国内プレス(Japanese-pressing CD)
(Progressive/Heavy Symphonic / Paper-Sleeve CD(2020) / Nayutakeikaku/Japan)
