国内の曇ヶ原から自主制作でのリリース。曇ヶ原は池袋を拠点とするグループで、石垣翔大のギター弾語りが13年にバンド編成に発展、『日本語によるプログレッシブハードフォーク』を標榜して、16年にファースト「独言独笑」をリリースした。本作は、17年にリリースされた5曲入マキシ・シングルCDの限定再入荷で、コーティング紙&見開き紙ジャケ仕様、ブックレット中スリーヴに歌詞掲載。メンバーは前作からの石垣、赤羽あつみの2人に、新たにヴァイオラ伊藤(ex.痛郎)、Osamu(aka.ム・JAPAN/ex.うしろ前さかさ族,Boris)を加えた4人編成で、1曲で川口ケイがゲスト参加。1,2曲目がスタジオ新録音源、3~5曲目がライヴ音源で、1曲目「3472-1」は21年アルカンジェロ盤セカンド「曇ヶ原」にリメイク・ヴァージョンで再収録、2曲目「どうして」は赤羽の作詞・作曲で赤羽が歌っている。ライヴ音源は全て「独言独笑」収録曲(4,5曲目は「曇ヶ原」にもリメイク収録)で、音質・バランスも悪くない。概ね全体に、伊藤とム・JAPANが加入してバンドとしてのアンサンブルはすこぶる安定、ユーライア・ヒープ調のハードネスも迫力が増していて、確かに『日本語によるプログレッシブハードフォーク』方面へと確実に収斂している感じ。音色やフレーズのチョイスが独特だったり、歌謡曲感内包のセンスが垣間見られる赤羽は、もしかするとプログレ&ハード路線にはそれ程向いてなかったのかも知れず、結果として本作後にいなくなってしまうが、『何かしらの生きずらさを抱えているような佇まい』は石垣と通底していた印象で、その妙なハミ出し感はある種のアクセントを生んでいたように思う。「独言独笑」、「曇ヶ原」とともに、日本のプログレ系愛好家はわりと普通に楽しめるのでは。
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曇ヶ原盤
(Progressive/Symphonic,Folk,Hard / Paper-Sleeve CD(2017) / Kumorigahara/Japan)