国内のアルカンジェロからのリリース。曇ヶ原は池袋を拠点とするグループで、石垣翔大のギター弾語りが13年にバンド編成に発展、『日本語によるプログレッシブハードフォーク』を標榜して、16年にファースト「独言独笑」をリリースした。本作は、21年にリリースされたセカンド・アルバムで、メンバーは石垣、ヴァイオラ伊藤(ex.痛郎)、a_kira(ex.マリア観音,J・A・シーザーと悪魔の家)、ム・JAPAN(ex.うしろ前さかさ族,Boris)の4人編成。概ね、70年代フォーク調のボーカルと歌詞、オルガン、ピアノ、メロトロン・サンプリングを多用するプログレ然としたキーボード群、ハード・ロック・マナーのギターとリズム隊が、一体となって疾走する重厚なサウンドを展開。本人達の『プログレッシブハードフォーク』以外にも、巷では『北池袋のアネクドテン』、『キング・クリムゾンmeets森田童子』等の評語があるようだが、メロトロン音のいかにもな使い方は別として、70年代前半のユーライア・ヒープやディープ・パープル的なギラギラしたハードネスを軸とする演奏は、どちらかというとオルタナ感やサイケ感は薄く、森田童子的な洗練された浮遊感とも違う方面という印象。石垣の滲み出る内省的暗さと泣きは、例えば森田童子よりもむしろ山崎ハコ辺りを彷彿させられ、その線の日本的情感、変拍子内包のドラマティックな楽曲&アレンジ、バンド感のある上等なアンサンブルが面白いバランスで交叉。16年ファーストと、17年マキシシングル「3472-1/どうして」収録曲のリメイクも含め、全体にともかくも濃密かつ迫力十分で、日本のプログレ系愛好家にはけっこうツボかも知れず、ズッシリとした手応えを楽しめると思う。
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アルカンジェロ盤
(Progressive/Symphonic,Hard,Folk / Jewel-case CD(2021) / Arcangelo/Japan)