大山曜本人のレーベルである、国内のアストゥーリアス・レーベルからのリリース。大山曜は東京都出身のマルチプレイヤー兼コンポーザーで、85年に新月の津田治彦主宰のフォノジェニック・スタジオでスタジオ・ミュージシャンとして活動を始め、88年にソロ・プロジェクトのアストゥーリアスを始動、マイク・オールドフィールド的プログレとして一定の支持を得た。90年代中盤以降は主にゲーム音楽等の仕事でアストゥーリアスは休止状態だったが、04年に「バード・アイ・ビュー」をリリースして復活、以後は従来の1人多重録音スタイルのアストゥーリアス、室内楽的編成のアコースティック・アストゥーリアス(アコアス)、バンド編成のエレクトリック・アストゥーリアス(エレアス)の3つのタイプを使い分けて活動している。本作は、23年にリリースされたエレアスのフォース・アルバムで、メンバーは、前作からの大山曜、テイ・セナ、平田聡、田辺清貴の4人に、新たに中村エイジが加入した5人編成。前作「トリニティ」から4年振り、初めてメンバー・チェンジを経ての作品だが、硬質なフュージョン・プログレ系の方向性も、バカテク系の芸風も何ら変化はないというか、怒濤のハイテンションが続くインスト・プログレ(1曲でボーカルが入る)を展開。近年は海外プログ・フェスの常連ということもあってか、コンセプトや作風を少しアニソン的シンフォニック感に寄せているような感じもあるが、ブライト感を抑えた重厚なトーンでバランスをとっている印象で、ヴァイオリンと5弦ベースを軸に変拍子を交えた小難しいキメがビシバシとハマるアンサンブルは素直に圧巻。この線としては真っ当な好盤と思う。
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アストゥーリアス盤
(Progressive/Heavy Symphonic,Fusion / Jewel-case CD(2023) / Asturias/Japan)