大山曜本人のレーベルの、国内のアストゥーリアス・レーベルからのリリース。大山曜は東京都出身のマルチプレイヤー兼コンポーザーで、85年に新月の津田治彦主宰のフォノジェニック・スタジオでスタジオ・ミュージシャンとして活動を始め、88年にソロ・プロジェクトのアストゥーリアスを始動、マイク・オールドフィールド的プログレとして一定の支持を得た。90年代中盤以降は主にゲーム音楽等の仕事でアストゥーリアスは休止状態だったが、04年に「バード・アイ・ビュー」をリリースして復活、以後は従来の1人多重録音スタイルのアストゥーリアス、室内楽的編成のアコースティック・アストゥーリアス(アコアス)、バンド編成のエレクトリック・アストゥーリアス(エレアス)の3つのタイプを使い分けて活動している。本作は、18年にリリースされたアストゥーリアス名義ナインス・アルバムで、タイトルは「天翔」。メンバーは、作曲、アレンジ、プロデュース、エレキ&各種アコギ、ベース、マンドリン、グロッケンシュピール、キーボード、プログラミング等々の大山曜を核に、川越好博、テイ・セナ、平田聡、田辺清貴、筒井香織のエレアス&アコアスの4人の他、上野洋子(ex.ザバダック,アスタリスク,etc)、神野洋平、高橋香名などが適時参加。大山のプログラミングと1人多重音源を軸として、ほぼ同じゲスト・メンバー達によるヴァイオリン、クラリネット、リコーダー、ドラム、パーカス、女性コーラス等を配置した、15年「欠落」、16年「極光」に続く自称『マルチアス』三部作の完結作品。初期マイク・オールドフィールド的なものをあえて狙っている印象の、重厚なヘヴィ・シンフォニック・プログレ・インストを展開していて、その線の日本のプログレ愛好家にはかなりツボにハマるサウンドと思う。
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アストゥーリアス盤
(Progressive/Heavy Symphonic,Fusion / Jewel-case CD(2018) / Asturias/Japan)