大山曜本人のレーベルである、国内のアストゥーリアス・レーベルからのリリース。大山曜は東京都出身のマルチプレイヤー兼コンポーザーで、85年に新月の津田治彦主宰のフォノジェニック・スタジオでスタジオ・ミュージシャンとして活動を始め、88年にソロ・プロジェクトのアストゥーリアスを始動、マイク・オールドフィールド的プログレとして一定の支持を得た。90年代中盤以降は主にゲーム音楽等の仕事でアストゥーリアスは休止状態だったが、04年に「バード・アイ・ビュー」をリリースして復活、以後は従来の1人多重録音スタイルのアストゥーリアス、室内楽的編成のアコースティック・アストゥーリアス(アコアス)、バンド編成のエレクトリック・アストゥーリアス(エレアス)の3つのタイプを使い分けて活動している。本作は、15年にリリースされたアストゥーリアス名義セヴンス・アルバムで、アストゥーリアスとしては08年の「樹霊」以来7年振りの作品。メンバーは、アコースティック・ギター、エレキ・ギター、ベース、マンドリン、グロッケンシュピール、キーボード、プログラミング等々の大山曜を核に、川越好博、テイ・セナ、平田聡、田辺清貴、筒井香織のエレアス&アコアスの4人の他、上野洋子(ex.ザバダック,アスタリスク,etc)、中島オバヲ、星衛などが適時参加。大山のプログラミングと1人多重音源を軸に、ヴァイオリン、クラリネット、リコーダー、ドラム、パーカス、女性コーラス等を適時配置したヘヴィ・シンフォニック・プログレ・インストを展開していて、いわゆる初期マイク・オールドフィールド・タイプ。ダイナミズムの効いた濃密な構築感があり、わりと絵に描いたようなシンフォニック・プログレ然としたサウンド。メロディアスかつテクニカルな重厚さ十分で、この畳み掛ける感じは日本のプログレ愛好家好きするサウンドという印象。
アストゥーリアス盤
(Progressive/Heavy Symphonic,Fusion / Jewel-case CD(2015) / Asturias/Japan)