大山曜本人のレーベルである、国内のアストゥーリアス・レーベルからのリリース。大山曜は東京都出身のマルチプレイヤー兼コンポーザーで、85年に新月の津田治彦主宰のフォノジェニック・スタジオでスタジオ・ミュージシャンとして活動を始め、88年にソロ・プロジェクトのアストゥーリアスを始動、マイク・オールドフィールド的プログレとして一定の支持を得た。90年代中盤以降は主にゲーム音楽等の仕事でアストゥーリアスは休止状態だったが、04年に「バード・アイ・ビュー」をリリースして復活、以後は従来の1人多重録音スタイルのアストゥーリアス、室内楽的編成のアコースティック・アストゥーリアス(アコアス)、バンド編成のエレクトリック・アストゥーリアス(エレアス)の3つのタイプを使い分けて活動している。本作は、14年にリリースされたエレアスのセカンド・アルバムで、メンバーは、前作「フラクタルズ」と同じ大山曜、川越好博、テイ・セナ、平田聡、田辺清貴の5人編成。大山が5弦ベースという編成も変わらずで、往年の70年代プログレ的楽曲と要素の当世風ネオ・プログレ的展開という方向性、畳み掛ける濃密なアレンジ、フュージョン的洗練感覚、一糸乱れぬバカテクな演奏、どれを取ってもジャパニーズ・ヘヴィ・シンフォニック・プログレの優等生的サウンド。前作よりもヴァイオリンが目立っている印象で、変拍子を交えた小難しいキメがビシバシとハマる圧巻の演奏を堪能出来る。ともかくも、怒濤のハイテンションが続くインスト・プログレで、前作が気に入った人はまず持って楽しめると思う。
アストゥーリアス盤
(Progressive/Heavy Symphonic,Fusion / Jewel-case CD(2014) / Asturias/Japan)