ドイツEMI/ハーヴェストから、72,73年のシングル両面(73年はアルバム未収)4曲をボーナスで加えての、02年新規リマスターでのリシュー。トリアンヴィラートはケルン出身のグループで、ユルゲン・フリッツが中心となって69年に結成されている。SFFやトリトーナス等々とともに、ジャーマン・ロックのザ・ナイス、ELPフォロワーとして、日本でもわりと知名度のある存在と思う。本作は、72年にドイツのハーヴェストからリリースされたファースト・アルバムで、確か邦題は「地中海物語」。メンバーは、フリッツ、ハンス・パーペ、ハンス・バセルートのトリオ編成で、プロデュースはライナー・ピーチュ。ルーズさのないカッチリしたバカテクな演奏は、当時のジャーマン系には珍しいかも知れず、シンフォニック・プログレ然とした畳み掛ける展開の大曲指向、クラシック的要素の比重の多さなど、数多あるELPフォロワー系の中では、例えばオランダのトレース辺りに近似するタイプという印象。フリッツのエマーソン・ライクなキーボード群を軸に、パーペとバセルートのリズム隊もドライヴ感十分で上手く、ELP的ヘヴィネスのある演奏と、カラっとしたキャッチーさのある楽曲がわりといい塩梅のマッチングを見せる。ボーカルは英詞で随所にELP感はあるが、それがメインという程のゴリ押し感はなく、キーボード中心のシンフォニック・プログレとしても好サンプルと思う。余談だが、トリアンヴィラートとは、ドイツ語で「三国志」のことらしい。
輸入盤/デッドストック入荷
(Progressive/Symphonic,Classic,Pops / Jewel-case CD(2002 Re-master) / EMI/Harvest/German)