ドイツのユニバーサル/ヴァーティゴから、71年と77年の未発表ライヴ音源2曲をボーナスで加えての、15年新規リマスターでのリシュー。グローブシュニットはハーゲン出身のグループで、サイケ&ハード色の強い初期、シンフォニック色の強い中期、ポップ色の強い後期以降と、猫の目的なサウンドの変遷を見せたジャーマン・プログレのビッグ・ネームの1つ。バンド名の由来はドイツの由緒ある軍楽隊名。本作は、72年にドイツのブレインからリリースされたファースト・アルバムで、邦題は確か「冥府宮からの脱出」。メンバーは、ヨアヒム・エーリッヒ(エロック)、ステファン・ダニエラク(ヴィルドシュヴァイン)、ゲルド・オットー・キューン(ルーポ)、ベルンハルト・ウルマン(バエル)、ヘルマン・クワイエッテイング、アレックス・ハルロスの6人編成で、プロデュースはフランク・ミッレ。全員イタリアのオザンナのような化粧をして、かなりシアトリカルなライヴを行っていたようだが、本作では重厚でゴツイ感触のハード・シンフォニック・プログレを展開していて、ハード・ロック調の演奏とプログレ調の楽曲が交叉する濃密なサウンド。「シンフォニー」と「サン・トリップ」の2つの組曲を軸に、B級ハード感のあるギターのリフ&フレーズ、洪水系の雰囲気十分なキーボード、ドカスカで上手いツイン・ドラムとゴリゴリ系のベース、時折聴こえるリリカルなフルート、野太くて男臭いボーカルが、畳み掛けるアレンジに収束。骨太でハードだがメロディアスで聴きやすく、いかにもドイツ的な武骨さと野太さがいい塩梅にカッコよく、シュールで素敵なスリーヴも含め、ジャーマン・プログレ文句なしの好盤と思う。ボーナスのライヴ音源も素直に楽しめる。
輸入盤/デッドストック入荷
(Progressive/Psyche,Hard,Symphonic / Jewel-case CD(2015 Re-master) / Universal,Vertigo/German)