ドイツのレパートリーから、01年新規リマスターでのリシュー。元グローヴシュニットのエロックによるリストア&リマスタリングで、音質は非常によくなっている。バース・コントロールは、ジ・アールズとザ・ゲンツという2つのバンドが合体する形で66年にベルリンで結成されたグループで、サイケ、プログレ、ハード・ロック折衷の初期、プログレ色の強い中期、ハード・ロックにシフトした後期とサウンドに変遷を見せながら83年に解散。その後94年に再編して現在も活動を続ける、ジャーマン/クラウト・ロックのビッグ・ネームの1つ。本作は、75年にドイツのCBSソニーからリリースされたフィフス・アルバムで、メンバーは、ベルント・ノスケ、ブルーノ・フレンツェル、ツェウス・ヘルト、ペーター・フォラーの4人編成を基本に、曲によってチェロ、ヴィオラ、フルートが適時ゲスト参加、プロデュースはデヴィッド・ヒッチコック。ファーストから前作「ライヴ」までは、ブリティッシュ色もあるB級プログレ・ハード路線だったが、本作から「バックドア・ポッシビリティ」、「インクリース」と続く3作品は、SFファンタジー・コンセプト三部作と呼ばれ、端正なテクニカル・ヘヴィ・シンフォニック・プログレを展開。ハード色のあるギター、オルガン&ピアノ、シンセを軸とした華麗なキーボード、タイトで饒舌なリズム隊による演奏はともかくもカッチリと上手く、シアトリカルで場面転換の多い濃密なアレンジも上等。いわゆるジャーマン・ロック然としたクラウト感と、シンフォニック・プログレ調の洗練感がいい塩梅で交叉していて面白く、ネクター辺りともまた違ったSF的味わいの好盤と思う。
輸入盤/デッドストック入荷
(Progressive/Heavy Symphonic / Jewel-case CD(2001 Re-master) / Repertoire/German)