UKのゴンゾからのリリース。サード・イアー・バンドは、グレン・スウィニーとデイヴ・トムリンが60年代中期に結成していた、ジャイアント・サン・トロレイとハイドロゲン・ジューク・ボックスという2つのグループを母体として68年1月に結成され、その後独特のヒプノティック・ドローン・ミュージックを展開した、希有で素晴らしいグループ。本作は、88年と89年の未発表音源をコンパイルした発掘音源集で、どちらもスウィニーとポール・ミンスが中心となった88年夏の再編以降の音源。88年がかねてから噂のあった『ロンドンのカンボジア大使館でのリハーサル音源』で、メンバーは、スウィニー、ミンス、ミック・カーター、アレン・サミュエル(トムリンの生徒だった)の4人編成。9月のライヴ音源「ライヴ・ゴースツ」以前の、再編直後の時期と思われる。「ドゥルイド・スリー」、「エジプト死者の書」、「ライヴ・ゴースツ」の3曲が収録されていて、やはりサウンドは同じメンバーで時期も近い「ライヴ・ゴースツ」に近似する印象。89年は90年にリリースされた「マジック・ミュージック」用のデモ音源で、メンバーは、半年足らずで辞めてしまったミンスとサミュエルの代わりに、元ソフト・マシーン等々のリン・ドブソン、セカンド「天地火水」時のチェロ奏者だったアーシュラ・スミスを加えた、スウィニー、カーター、ドブソン、アーシュラの4人編成。この音源は、「マジック・ミュージック」とはメンバーが違う(スミスがニール・ブラックに交代)が、最近「ニュー・フォレキャスツ・フロム・ザ・サード・イアー・アマルナク」のタイトルでCDリリースされた89年1月のライヴ音源と同じメンバーで、曲は「マジック・ミュージック」でも、演奏はかなり「ニュー・フォレキャスツ~」に近似する印象。どちらもけっこう面白くて楽しめる。
輸入盤
(Psyche/Experimental,Drone,Progressive / Jewel-case CD(2016) / Gonzo Multimedia/UK)