UKのレリックスから、10年新規リマスターでのリシュー。ロウ・マテリアルはロンドン出身のグループで、コリン・キャットとフィル・ガンが中心となって68年に結成されている。本作は、70年にUKエヴォリューションからリリースされたファースト・アルバムで、メンバーは、キャット、ガン、ミック・フレッチャー、デイヴ・グリーン(ex.シュート,etc)、ポール・ヤングの5人編成、プロデュースはエド・ウェルチ。基本的にはアート・ロックというか、プログレ色のあるサイケ&ジャジーなアングラ感満点のニュー・ロック的サウンドを展開していて、いわゆるヴァーティゴやネオン系に近似する、カッチリとはカテゴライズしにくいサウンド。サイケ然としたチープなオルガンと下品なファズ・ギター、モコモコした管楽器と重たいリズム隊に、正式なクレジットはないが曲によってフランク・リコッティのヴィブラフォンが入り、しかも曲によっては叩きまくっていたりもする。全編に渡って妖しくて暗い空気感が支配していて、マイナー調の楽曲がウネウネとインプロで盛り上がる様はそれなりにカッコよく、バンド感のある演奏は上手くはないが悪くない。特に、ラスト・ナンバーの「アメリカの崩壊」のヴィブラフォンとメロトロンの洪水が、ともかくも印象的というか余韻を残す。全体に演奏云々よりも雰囲気がよく、曇り空的なアンバー感がスティル・ライフ辺りにも近くて、その意味ではいかにもブリティッシュ然とした正しくサイケな1枚。スリーヴも含め、捨て難いB級の味わいを放つヘヴィ・サイケ・プログレ系の好盤と思う。
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輸入盤
(Psyche/Art Rock,Progressive,Blues / Jewel-case CD(2010 Re-master) / Relics/UK)