UKのモーガン・ブルー・タウンから、見開きデジスリーヴでのリシュー。リマスター表記はないが音質はわりとクリア。マジック・ミクスチャーはロンドン出身のグループで、テリー・トーマス(ex.チャーリー,etc)とメル・ハッカーが60年代前半に結成した中学生バンドを母体としている。その中学生バンドには、一時期サイモン・カーク(ex.フリー,etc)が在籍していたらしい。本作は、68年にUKサーガからリリースされた唯一のアルバムで、メンバーはトーマス、ハッカー、スタン・カーティス、ジャック・マッカロク(ex.アンドロメダ,サンダークラップ・ニューマン,etc)の4人編成。概ね、アート・ロック基調のブルージーなヘヴィ・サイケ系サウンドを展開していて、いわゆる『サージェント・ペパーズ・シンドローム』方面のテクニカラー系ポップネスと、ガレージ・サイケ方面の尖ったブルース色が適度なマッチングで交叉。典型的なギブソンSG的音色のファズ・ギターと、いかにもガレージ調のチープなオルガンを軸に、わりとヘヴィなリズム隊が相まった演奏は疾走感とバンド感も十分で、少しヘタウマなボーカルのハマりも悪くない。全体に、ブルージーで下品なギターは素直にカッコよく、アングラ色を内包した不良感と、日本のGSにも通底する煮えきらないポップネスの同居がこの線のサイケ系の味わいということなら、本作はかなりど真ん中のサウンドという印象。特段に突出した個性やインパクトではないが、サイケ系愛好家ならけっこう問題なく楽しめると思う。この後、マッカロクはアンドロメダ、アンドウェラ、サンダークラップ・ニューマン等々へ、トーマスはチャーリーを経てプロデューサーに転身、バッド・カンパニー等々を手掛ける(カーク繋がりか?)。
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輸入盤
(Psyche/Blues,Art Rock,Garage / Digi-Sleeve CD(2022) / Morgan Blue Town/UK)