UKのフラッシュバックからのリリース。マイティ・ベイビィは、レグ(レジー)・キングが中心となって63年にロンドンで結成されたザ・ボーイズを母体とするジ・アクションが、レグ脱退後の69年に残ったメンバー達で改名したグループ。本作は、サブ・タイトル通り71年6月にロンドンのハーレー・ロードで行われた、セカンド「ア・ジャグ・オブ・ラヴ」の為のリハーサルを収録した発掘音源盤で、イアン・ホワイトマン所蔵の未発表音源。メンバーは、マーティン・ストーン(ex.サヴォイ・ブラウン,etc)、アラン・キング、イアン・ホワイトマン、マイケル・エヴァンス、ロジャー・パウエルの5人編成で、セカンドの原曲群と、フライング・ブリトー・ブラザースの「レイジー・デイズ」のカヴァーが収録されている。まだボーカルは入っておらず全編インストで、ジャム・セッション的な雰囲気の演奏だが、コード進行や構成はある程度出来上がっている段階というか、楽曲の大筋は決着がついている印象。既にスワンピーなレイドバック感は十分で、そのままセカンドに直結というか出来上がっている感じだが、ボーカル・レスということもあって全体にかなりゆるさが強い演奏。独特の盛り上がり方をするインプロは面白く、セカンドの完成ヴァージョンを思い浮かべながら聴くと、曲作りの過程などが見えて来て、その意味では退屈はせずに楽しめるが、セカンドを知らずに聴くと少しとりとめがなくてダレてしまうかも知れない。ともかくも『ロード・トゥ・ア・ジャグ・オブ・ラヴ』として、マイティ・ベイビィが好きな人やスワンプ系愛好家はチェックしてみてもいいと思う。
輸入盤
(Psyche/Swamp,Blues / Jewel-case CD(2015) / Flashback/UK)