UK/EUのサンクチュアリ・ミッドラインから、「ローラ」の別ヴァージョンや未発表デモ等計3曲をボーナスで加えての、04年新規リマスターでのリシュー。ザ・キンクスは、ロンドン北部のマスウェル・ヒル出身のグループで、レイ&デイヴ・デイヴィス兄弟のレイ・デイヴィス・カルテット、レイヴンズを母体として、63年にキンクスに改名した。ビートルズ、アニマルズ、ローリング・ストーンズ等と共に、ブリティッシュ・インヴェイジョンを代表するビッグ・ネームの1つ。本作は、70年にUKパイ・レコードからリリースされたナインス・アルバムで、メンバーは、前作と同じレイ、デイヴ、ミック・エイヴォリー(ex.ザ・クリエイション,etc)、ジョン・ダルトンの4人編成を基本に、多くの曲でジョン・ゴスリングがキーボードで第5のメンバー的に参加、プロデュースはレイ。シングル・カットされた「ローラ」が、「コカ・コーラ」騒動も手伝ってか大ヒットとなったが、『駆け出しのロッカーの成功と挫折』をテーマとして描いた、デイヴィス兄弟の自伝的コンセプト・アルバムで、前2作の「ロック・オペラ」的アート・ロック感を少々担保しつつも、ある程度初期のガレージ・サイケ感を基調としたギター・サウンドに回帰している印象。とはいえ、前述の「ローラ」も含めその両方の要素が上手いバランスでハイブリットされている感じで、いつになくバンド感も十分。わりと素直にカッコいい好盤と思う。余談だが、タイトルの「ローラ対パワーマン、マネーゴーラウンド組第1回戦」の「ローラ」とは、歌詞に出てくる「駆け出しのロッカーたる少年を誘惑する怪力の女性(実は男性)」で、本作に限らずレイの書く歌詞はけっこう面白い。
輸入盤/デッドストック入荷
(Psyche/Art Rock,Pops,Garage / Jewel-case CD(2004 Re-master) / Sanctuary Midline/UK,EU)