韓国のビッグ・ピンク・ミュージックから、17年新規リマスター&限定ペーパースリーヴでのリシュー。紙ジャケ仕様で、インサート入、オビ付。ハード・ミートはバーミンガム出身のグループで、ミック&スティーヴ・ドーラン兄弟が中心となって69年に結成されている。結成程なくして69年にビートルズの「レイン」のカヴァーでシングル・デビュー後、2枚のアルバムと1枚のシングルをリリースして71年に解散したようだ。本作は、70年にUKワーナー・ブラザースからされたセカンド・アルバムで、メンバーは、前作と同じミック・ドーラン、スティーヴ・ドーラン、ミック・カーレスのトリオ編成を基本に、曲によってピート・ウエストブルック、フィル・ジャンプがゲスト参加、プロデュースはサンディ・ロバートソン。概ね、ブルースを基調としたアート・ロック/サイケ的様相のサウンドを展開していて、プログレやポップスの要素も見え隠れするゴッタ煮感十分。その意味では、いかにもブリティッシュ然とした感じがあって、全体の湿ったくぐもり感やブルース色とサイケ色のマッチング具合は、例えばアンドウェラズ・ドリームやアンドウェラのファースト辺りに近似する印象。アコースティック・ギターの使い方がわりと上手く、ゲストのフルートやオルガンもくぐもったニュアンスを担保していて、饒舌なベースとキレのよいドラムも含め、演奏は重厚でカッコいい。特に、1~3,6~8曲目辺りの郷愁感のあるメロディや盛り上がりは素敵で、5曲目のグラハム・ボンドのカヴァーも違和感なくハマっている。ブリティッシュ・ロック愛好家なら素直に楽しめるだろう好盤と思う。
輸入盤/限定プレス
(Psyche/Blues,Progressive / Paper-Sleeve CD(2017 Re-master) / Big Pink Music/Korea)