スペインのゲッセン・レコードから、22年新規24ビット・リマスターでのリシュー。クリスタルラインはノーザンプトン出身のグループで、トニー・バーフォードが中心となって69年に結成されている。アックスの前進バンドとしても知られているかも知れない。本作は、70年にプライヴェート・プレスの自主制作盤としてリリースされた唯一のアルバムで、僅か12枚しかプレスされなかったといわれるオリジナルLPは、かなりの著名コレクターズ・アイテムだが、90年代以降にUKキッシング・スペル等から、アックス・ミュージックやクリスタル・バンドの名で、曲名や曲順を変えたり勝手に編集したりのブートレグ盤CD&LPがリリースされていた。メンバーは、バーフォード、ヴィヴィアン・ジョーンズ、ロジャー・ヒリアード、マイク・ノッブス、スティーヴ・ゴードン(ex.イッチー・O,スクールボーイズ・ポケット)の5人編成で、女性ボーカルとギターを軸としたアート・ロック系サイケを展開。ファズとクリア・トーンを使い分けるバーフォードのエレキ・ギターは、わりと弾きまくり感もあって達者ではあるが、曲によっては少しピッチが甘いというか、(新規24ビット・リマスターでも)全体的にこもり気味の音質も含め、その辺りのある種の素人っぽさが何とも自主制作然としたアングラ感満点。とはいえ、楽曲自体は殊の外キャッチーで悪くなく、すっきりとエレガントなヴィヴィアンの女性ボーカルも上等で、ある程度の水準はクリアしている印象。ともかくも、ヴィヴィアンの女性ボーカルに救われている感じではあるが、アングラ・ブリティッシュ・サイケの好サンプルといえるかも知れない。尚、ほぼ同じメンバーのまま本作と前後してアックスに改名、74年頃まで活動していたと思われる。
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輸入盤
(Psyche/Art Rock,Blues,Progressive / Jewel-case CD(2022 24bit Re-master) / Guerssen Records/Spain)